令和6年 第2回定例県議会における主な論点は以下の通りです。
「能登半島地震を踏まえた防災対策」について |
元日に発生した能登半島地震により、6月18日時点で死者は直接死及び災害関連死を併せて260人に上っており、関連死の認定審査が進めば、さらに増加することも想定されます。
発生から5カ月余りが経過した現在でも、建物の損壊、道路の寸断、断水や停電等の生活インフラの損傷、漁港等の産業インフラの壊滅的被害により、復旧復興は極めて厳しい状況にあり、加えて余震が続く中、多くの方々が避難生活を余儀なくされております。
本県においても、半島や離島など、災害時における迅速な対応が困難となる可能性があることから、能登半島地震を踏まえ、改めて災害対応の在り方について、県の対応を質しました。
知事は、今般の能登半島地震の知見を今後の本県の防災対策に反映させていくことは、大変重要であると考えており、現在、国において、避難所運営、物資調達・輸送などの検証を進めており、県としては、能登半島地震から得られる知見等の情報収集に努め、防災対策の更なる充実・強化に取り組んでまいりたいと答弁されました。
また、危機管理防災局長から、国の防災基本計画の見直し等、今後の国の対応等を踏まえて、県地域防災計画の見直しを行っていくとの答弁がありました。
私共は、本県の防災対策について、改めて課題を再検証するとともに、離島や半島、中山間地域を多く有する地理的特性を踏まえた、地震・津波・火山・原子力等あらゆる防災対策の強化に向けた取組を徹底するよう要望したところであります。
また、県地域防災計画の見直しについては、国の対応を踏まえつつも、まずは本県の課題を再確認し、更なる実効的な防災対策の強化に向けた取組を進めるよう強く要望しました。
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「県警の不祥事案の再発防止等」について |
近年、鹿児島県警察においては、不祥事が相次ぎ、現職警察官が逮捕される事案が増加しております。
一方、 3月にはウェブメディアに県警の捜査資料とみられる文書が掲載され、県警は4月8日に捜査情報など職務上知り得た秘密を第三者に漏えいしたとして、地方公務員法違反の疑いで現職警察官を逮捕、送検しました。
5月20日には犯罪経歴情報と95事件、計304人分の個人情報が漏えいしたと発表し、同警察官を懲戒免職処分にしました。
今回の代表質問では、度重なる不祥事に関し、実効性のある再発防止に向けた取組と、捜査情報流出事案に関する捜査状況及び再発防止に向けた取組を質したのに対し、警察本部長の答弁は、これまでの発表内容に留まりました。
私共は、相次ぐ不祥事は、県民の警察に対する信頼を大きく損ね、怒りの声が挙がっていることから、県警においては組織的な問題として徹底した綱紀粛正と真に実効性ある再発防止対策に取り組むとともに、情報流出問題については、迅速に全容解明を行い、その内容を明らかにすることを厳に要請したところです。
しかしながら、代表質問の翌日には、県警の最高幹部だった、前生活安全部長が、職務上知り得た秘密を3月退職後に、第三者に漏らした国家公務員法違反の疑いで逮捕・送検されるという驚くべき事態となり、さらに、裁判所の拘留理由開示請求の手続きで意見陳述し、 「警察本部長が犯罪行為を隠蔽した」と述べ、守秘義務違反ではないと主張するなど前代未聞の展開となっております。
その後、6月21日に鹿児島地検は、前生活安全部長を国家公務員法違反の罪で起訴し、同日の記者会見で県警本部長は 「隠蔽を指示した事実はない」と改めて否定するなど、主張は対立しております。警察庁は、24日から逮捕者が相次ぐ県警に対し特別監察を実施しているところであります。
本稿作成時点で、今後の展開は見通せませんが、警察組織の根幹に関わる、極めて重大且つ由々しき事態であり、徹底した全容解明を行い、その内容を全て明らかにするよう、引き続き注視してまいります。
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「県工業試験場跡地の利活用」について |
県工業試験場跡地は、鹿児島中央駅西口地区に位置する9600平方ー トルの県有地で、昭和62年の工業試験場の移転以来、今日まで、利活用の具体的な方向性が示されないままとなっており、現在、JR九州と鹿児島市に駐車場として貸し付けられております。
鹿児島中央駅西口地区については、平成23年の九州新幹線の全線開業を見据え、平成18年に周辺の土地所有者のJR九州、日本郵政グループ、鹿児島市、鹿児島県からなる4者連絡会を設置し、平成19年に「鹿児島市の陸の玄関口にふさわしい都市機能を備える」などとする方針を整理し、検討を進めてきたものの、工業試験場跡地については具体的な方針が示されないままとなっております。
西口地区においては、昨年4月にJR鹿児島中央ビルが開業し、同11月にはマンション建設工事が着工され、また日本郵政グループ所有地についも、昨年7月にマンション建設計画が公表されるなど開発が進んでいるところです。
また、天文館地区に開業したセンテラス天文館や、鹿児島市交通局跡地に建設された総合病院や高級ホテル等で構成される複合施設キラメキテラスなど、大規模な再開発事業が次々に進められれているところであります。
県は、今年度、4者連絡会のメンバーや経済団体、交通事業者、地域住民や都市計画の専門家などで構成する検討委員会を6月に設置し、4者連絡会の合意を尊重しつつ、同委員会における御議論や県議会、県民の御意見も伺いながら利活用の方向性を検討するとの方針を示しました。
私共は、工業試験場の移転から実に37年、未だに利活用の方向性すら示されていない現状は、誠に遺憾であり、今度こそ「検討委員会」において、本腰を入れた検討を進め、鹿児島の玄関口にふさわしい同地区の再開発が本格的に動き出すことを強く要望したところであります。
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「意見書」について |
今議会では、地方が責任を持って、社会保障や物価高騰対策はもとより、人口減少対策、地域経済活性化・雇用対策、人づくり、災害対策、デジタル化の推進、地域交通対策、脱炭素化対策、地方創生の推進など、地域の実情に沿ったきめ細かな行政サー ビスを行っていくための、「地方財政の充実 ・強化を求める意見書」及び 「防災 ・減災、国土強靱化のさらなる推進に向けた意見書」を可決し、政府及び国会に提出いたしました。。
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その他 |
以上の外に
・知事の2期目への決意と今後の県政の課題
・県内における自衛隊施設の整備等
・人材確保及び移住促進のための取組
・食料・農業・農村基本法の改正を踏まえた「かごしま食と農の県民条例」の見直し
・鹿児島港本港区エリアのまちづくり
・特定都市河川の指定に伴う河川整備の在り方
・高規格道路の整備状況等
・小規模県立高等学校における遠隔教育の推進
・災害廃棄物対策
・子ども、子育て支援施策
等について県の対応を質(ただ)しました。
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