令和6年 第4回定例県議会における主な論点は以下の通りです。
「地域防災計画の修正」について |
元日に発生した能登半島地震により、甚大な被害が発生し、被災地域においては、復旧・復興に向け懸命な取組を進めていた中、9月21日に、令和6年奥能登半島豪雨による災害が発生し、11月末時点で死者15人、負傷者47人、全壊119棟、半壊・一部破損693棟、浸水被害1480棟の被害が生じました。
地震被災地においては、被災者が入居していた仮設住宅の内、6団地222戸が床上浸水被害を受け、地震により地盤の緩んだところに大雨という複合的な災害による生活再建の遅れが懸念されております。
国においては、能登半島地震について、被災地の情報収集及び侵入方策、自治体支援、避難所運営、物資調達・輸送について検証を進め、この検討結果を反映した上で、中央防災会議において、防災基本計画の修正等を行いました。
さらに、引き続き検証をおこない、奥能登豪雨を踏まえ、後に発生するおそれがある水害リスクも踏まえた地震災害への対応を含めた報告書を11月に取りまとめたところであります。
県においては、国の防災基本計画の修正等を踏まえ、本県の地域特性も勘案しつつ、今年度中に県地域防災計画の見直しを行うこととしており、具体的には、緊急輸送道路啓開体制の整備、孤立化集落対策マニュアルの修正、避難所開設当初からの充実、高齢者等の要配慮者に対する福祉的支援の充実・強化、在宅難病患者等への対応強化、地域が孤立した場合の物資輸送手段の確保等の関係機関の役割の見直し等を行うこととしているとの答弁がありました。
私共は、本県の防災対策について、改めて課題を再検証するとともに、能登半島地震や各地の災害から得た教訓や、離島・半島・中山間地域を多く有する地域特性を踏まえた、地震・津波・火山・原子力等あらゆる防災体制の強化に向けた取組を要望いたしました。
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「かごしま食と農の県民条例の改正」について |
世界的な食料需給の変動や、我が国の人口の減少など諸情勢の変化に対応し、食料安全保障の確保や農業の持続的な発展などを図るため、我が国の食料・農業・農村政策の基本的な方針を定める「食料・農業・農村基本法」が5月に改正され、現在「食料・農業 ・農村基本計画」の策定に向けた議論が進められております。
県においては、平成17年に策定した「かごしま食と農の県民条例」に基づき、農業産出額が全国2位の食料供給基地として、国の施策と足並みを揃えた取組を進めており、輸出促進やスマート農業技術の活用など、今般の改正基本法で新たに盛り込まれた内容を踏まえた県民条例の改正に向けた検討を進めております。
県では、有識者との意見交換会や県内7箇所での地域別意見交換会を順次開催したところであり、これまでいただいた御意見も踏まえ、先月15日に2回目の有識者との意見交換会を開催し、食料安全保障の確立に資するため、農畜産物安定供給や農業資材の確保に関する施策や、環境への負荷の低減に関する施策、担い手の確保・育成に関する施策、労働力の確保に関する施策などを柱とする骨子案をお示ししたところであります。
有識者の皆様方からは、環境への負荷の低減に関して、有機農業の推進を明記してほしい、また、労働力の確保に関して、外国人材の確保を明記してほしい等の御意見が出されたとのことであり、これらの御意見や県議会での論議等を踏まえながら、引き続き、本年度中の改正に向けて検討を進めてまいりたいとの答弁がありました。
私共は、制定から約20年が経過し、農業人口の急激な減少など情勢の変化により農業を取り巻く環境が厳しさを増す中、本県農業の持続的発展に向け、有識者や農業関係者との意見交換会での意見等を十分に踏まえた見直しが図られるよう要望したところです。
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「スポーツコンベンションセンターの整備」について |
鹿児島港本港区エリアのドルフィンポート跡地への整備を予定するスポーツコンベンションセンターについては、令和6年度当初予算において、施設整備及び運営に要する費用として、313億円の債務負担行為が計上され、可決したところであります。
その後、4月に入札公告を行い、5月には2つの事業者グループから入札参加表明がなされましたが、8月に入り、「最近、他県で大規模工事が行われている影響を受け、設備工事に従事する技術者や技能労働者が不足しており、労務費が高騰している。加えて、金利の上昇や資材価格の高騰が続いている。」との話があり、9月27日に入札辞退届けが提出され、入札不調となりました。
そこで、入札不調に伴う事業者からのヒアリング結果を踏まえ、スポーツコンベンションセンターの整備に向けた検討状況と今後の見通しを質しました。
知事は、現在の県体育館の老朽化・狭陰への対応は先送りできない課題であり、スポーツ・コンベンションセンターの整備は必要であるが、建設コストの高騰などを踏まえると、事業費が増加する可能性があるものと考えている。
議会からは、「建設コストや後年の維持管理・改修費が県民にとって大きな負担とならないよう十分な検討を行うこと」との付帯意見を頂いている。
こうしたことを踏まえ、現在、事業者に求める要求水準の緩和や、施設整備費の一部の前倒し支払いによる金利負担の軽減など、コスト削減について検討を行っている。
さらに、整備運営手法についても、他の手法との費用や整備スケジュールの比較を行い、今後の本県の財政への影響も考慮しながら、見直しの必要がないか検討を行っているとの答弁がありました。
私共は、入札不調の要因を精査・分析し、議会からの付帯意見の内容を十分に踏まえ、慎重に検討するよう要望したところであり、今後の県の対応を検証してまいります。
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「警察本部長の就任に当たっての決意」について |
鹿児島県警の岩瀬本部長が11月1日付けで就任されました。
県警察は、昨年来、警察職員が逮捕される非違事案が続き、県公安委員会からは、事案の解明に尽力し、抜本的な再発防止対策を講じることや県警察の組織運営の適正化に対する懸念の早期払拭について指導を受けており、県議会においても、県警察の対応を厳しく指摘しているところであります。
そこで、新本部長の県警察の組織運営に関する決意と、本県の治安向上のための取組について質しました。
本部長からは、これまでの一連の非違事案で県警察に対する信頼を大きく損なっていることについて、被害者、関係者、県民及び県議会の皆様に深くお詫びを申し上げるとともに、警察の組織運営は、身近な犯罪への的確な対応など多岐にわたり、適切な警察活動の推進に当たっては県民の信頼及び協力が必要不可欠であると認識している。
このため、県警察が策定した再発防止対策を確実かつ継続的に実施し、県民と真摯に向き合い、より開かれた組織としていくことにより、県民の信頼回復に努めるとともに、現下の厳しい治安情勢に的確に対応し、また、県民ニーズに合わせた警察活動を展開することにより、治安向上のために全力を尽くしてまいりたい。との答弁がありました。
私共は、県警の相次ぐ不祥事案の発生は、県民の警察に対する信頼を大きく損ね、怒りの声が挙がっており、県議会としては、引き続き、徹底した真相解明と真に実効性のある再発防止対策への取組について検証していく所存であり、新本部長による厳正な組織運営の適正化と本県の治安向上に向けた取組を強く要請したところであります。
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「意見書」について |
今議会では、多様化・複雑化する消費者問題に対応するため、国において、国民生活の安定の基礎を担っている地方消費者行政を安定的に推進させるために「地方消費者行政に関する施策の充実・強化を求める意見書」及び令和6年度介護報酬の改定において、訪問介護の基本報酬を引き下げたことに関して、「訪問介護の碁本報酬引き下げの早急な見直し等を求める意見書」を全会一致で採択 し、政府及び国会に提出いたしました。
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その他 |
以上の外に
・令和7年度当初予算編成方針と財政運営
・外国人材の安定的な確保
・県内の地方鉄道路線の今後の在り方とライドシェアの取組
・鹿児島中央駅西口地区の県工業試験場跡地の利活用
・鹿児島港本港区の住吉町15番街区の新たな利活用
・鹿児島港本港区エリアの利活用及び港湾計画の見直し
・盛土規制法の規制区域の指定
・魅力ある県立学校づくりに向けた取組
・かごしま材の利用拡大・供給体制の強化に向けた取組
・保育士の確保等
等について県の対応を質(ただ)しました。
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