令和6年 第3回定例県議会における主な論点は以下の通りです。
「知事のマニフェスト実現に向けた2期目の県政運営にかける抱負」について |
知事は、現在、我が国は本格的な人口減少や少子高齢化の進行、物価の高騰、グローバル化やデジタル化の進展、カーボンニュートラルの実現など大きな変革期にあり、様々な対応が求められている。
こうした状況に的確に対応しつつ、将来を見据え、魅力ある本県の素材「ポテンシャル」を最大限に活かしながら、地域に仕事や人の流れをつくり、住みやすい地域、将来にわたって活力ある社会を形成していくことが重要である。
このため、基幹産業である農林水産業や観光産業の更なる振興に取り組むとともに、技術力の高い製造業や情報関連産業など新たな産業の創出にも取り組み、鹿児島の「稼ぐ力」の向上を図ってまいる。
人口減少の進行は地方における人手不足の深刻化や地域の活力の低下を招くことにつながる。本県の将来を支える人材の育成・確保に向けて、市町村とも連携して、本県の実情を踏まえた、子ども・子育て支援施策の充実・強化を図る。持続可能な地域社会の実現に向けたデジタル化の推進、高齢者が健やかで生きがいを持てる社会の形成、奄美・離島の振興など、各般の施策を推進するとの答弁がありました。
本県の将来を見据え、さらなる県政の発展と県民生活の安定に向けて邁進され、県民が確かな成果を実感できるような県政運営を期待するところであります。
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「馬毛島の自衛隊施設の整備及び特定利用空港・港湾」について |
馬毛島の自衛隊施設の整備については、6月末時点で、種子島及び馬毛島に計3680人の工事関係者が滞在しており、先般、防衛省から、令和7年3月末に馬毛島における仮設宿舎が完成する見通しであり、それ以降に工事関係者数(最大6千人)がピークとなる見通しが示されました。
また、9月10日に、「これまで、昨年1月の着工から4年程度としていた自衛隊施設の完成時期について、約3年遅れて令和12年3月の完成見込みとなった」 との説明があったところです。
結果として、宿泊施設の不足や家賃の高止まり、工事関係者の日当の高騰による賃金格差など、住民生活への影響が長引くことから、引き続き、国に対して適切な対応を求めることを要望したところであります。
一方、国においては、総合的な防衛体制の強化等に資する空港・港湾を 「特定利用空港・港湾」として、民生利用を主としつつ、自衛隊・海上保安庁の、円滑な利用にも資するよう整備を図るため、県の同意を受けて、8月26日に、鹿児島空港や徳之島空港など県内8カ所の空港・港湾を指定したところであります。
私共は、安全保障、国民保護や災害対応の観点から必要な取組であると受け止めており、県や地元への丁寧な説明や情報提供を求める事を要望したところであります。
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「スポーツ・コンベンションセンター整備及び住吉町15番街区等の新たな利活用の提案」について |
スポーツ・コンベンションセンターの整備については、知事の提案理由説明において、「最近、他県で大規模工事が行われている影響を受け、技術者や技能労働者が不足し、労務費が高騰している。加えて、金利の上昇や資材価格の高騰が続いている」旨の言及があったことから、私共は代表質問において、9月2 7日の入札締め切りに、入札提案がない事態も十分に想定されるとして、今後の対応方針について、慎重な検討を進めておくことを強く要請していたところであります。
結果として、想定どおり入札不調となったところであり、今後の県の対応については、議会として、改めて、慎重な検討を行っていく必要があるものと考えております。
一方、鹿児島サンロイヤルホテルを運営する鹿児島国際観光株式会社か ら、同ホテルの新築移転について、住吉町十五番街区の県有地を貸し付けてほしい旨の要望書が提出された件について、知事は、鹿児島港本港区エリアコンセプトプランに合致するものと考えており、議会において御論議の上、御理解がいただけた場合、MICE・バンケット・ホテル等としての利活用を進めることとしたい。
その場合、公平性を重視する観点から、公募を行う必要があると考えている旨の答弁があり、本件についても、重大な関心を持って注視してまいる所存であります。
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「県産農林水産物の輸出の現状及び輸出拡大に向けた今後の取組」について |
県産農林水産物の輸出の現状と、令和7年度の輸出目標額500億円の達成に向けた取組等について、質しました。
令和5年度の県産農林水産物の輸出額は、約367億円となり、3年連続で過去最高を更新しました。
農産物は、健康志向や日本食への関心の高まり等を背景に、米国・EU向け抹茶や、アジア向けさつまいもを中心に対前年度比約89%増の約44億円となった。
畜産物は、コロナ禍後の外食需要などから、香港やEU、台湾、米国向け牛肉を中心に約9%増の約146億円となった。
林産物は、中国向け丸太を中心に約9%増の約37億円となり、水産物は、主要輸出先である米国の需要が堅調に推移し、米国、台湾向け養殖ブリを中心に約 3%増の約140億円となった。 とのことであります。
知事は、提案理由説明において、農畜林水いずれの部門でも過去最高額を更新しており、これまで官民一 体で取 り組んできた結果として、本県の魅力ある農林水産物が、海外市場において、着実に浸透していることの表れであると受け止めており、引き続き「鹿児島県農林水産物輸出促進ビジョン」における令和7年度の輸出目標額500億円の実現に向けて、官民一体となって輸出拡大に取り組んでまいりますとの決意を示されました。
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「特別支援学校の整備」について |
特別支援学校の教育環境改善については、昨年2月の 「特別支援学校等教育環境改善検討委員会」からの提言を受け、「推進協議会」で今後の方向性を協議した報告書を踏まえ、知事は、曽於地区については、志布志市の伊崎田学園の敷地内に新たな特別支援学校を分置する方針を示され、6月に設計に係る補正予算が可決され、早期整備に向けた具体的な取組が進められております。
伊佐・湧水地区について、知事は今議会の提案理由において、同協議会からの報告書を踏まえ、伊佐市の旧大口南中学校敷地に、新たな特別支援学校を分置することを表明されました。今後、地区の関係者と協議を行いながら、整備計画を策定することとしており、
姶良地区については、牧之原特別支援学校への通学バスの長時間乗車の解消に向けて、通学バスの高速道路利用を継続しつつ、通学する児童生徒数の増加が見込まれることから、地区関係者と分置に向けた具体的な協議を引き続き行っていくこととしている。
今後とも、特別支援学校の分置に向けて、スピード感を持って取り組んでまいりたい旨の答弁がありました。
私共は、更なる、特別支援教育環境の改善について、計画的な取組を要望したところであります。
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「子ども・子育て支援施策」について |
本県の出生数は、昭和24年の64,016人をピ ー クに、年々減少傾向にあり、令和5年は9,868人と、初めて1万人を割り込み過去最少を更新しております。
知事は、「出生数の減少が予想を上回る速度で進行し、人口減少に歯止めがかからない中、少子化の進行は、地方における人手不足の深刻化や地域の活力低下を招く、との危機感を示され、本県の実情を踏まえた、子ども・子育て支援施策の充実・強化を図るとし、子ども医療費の現物給付化など結婚・妊娠・出産・子育ての段階ごとの課題に対応した総合的な支援に引き続き取り組むと答弁されました。
子ども医療費助成制度については、未就学児を対象に現物給付方式を課税世帯にも広げることとし、現在、制度変更に必要な準備を進めており、令和7年4月の開始を目指すこととしている。
子ども医療費助成については、全国一律に実施すべきものであると考えるが、自治体の財政力等の違いにより、格差が生じていることから、県開発促進協議会や全国知事会・九州地方知事会において 「国の責任において全国一律の医療費助成制度を創設すること」を繰り返し国に要望している。引き続き、様々な機会を捉えて、強く働きかけてまいりたい。との答弁がありました。
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「意見書」について |
今議会では、「食料安全保障対策の確立を求める意見書」、「畜産に係る経営安定対策を求める意見書」、「私学助成の充実強化等に関する意見書」及び 「教育環境の整備充実を求める意見書」を全会一致で可決し、政府及び国会に提出いたしました。
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その他 |
以上の外に
・知事の2期目の本県財政運営
・防災・減災及び国土強靱化の充実・強化
・武力攻撃予測事態を想定した沖縄県宮古島市からの避難住民受け入れ計画の策定
・県警察の不祥事
・県工業試験場跡地の利活用
・鹿児島港本港区エリアの再開発、周辺の交通対策
・新たな観光振興基本方針の策定
・企業の「稼ぐ力」の向上
・県産加工食品の輸出促進に係る取組
・水産業の振興
・農業の振興
・学校における働き方改革と教員の人材確保の取組
・「みんなの森づくり県民税」の今後の取り扱い」
・森林環境譲与税の配分額と同税を活用した県の取組内容
・認知症対策
・県立病院の経営安定化
等について県の対応を質(ただ)しました。
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