今議会の論点事項

令和7年 第2回定例県議会における主な論点は以下の通りです。

「本県におけるインフラの状況」について

 本年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管破損による道路陥没事故は、インフラの老朽化が国民生活や経済活動に及ぼす影響の大きさを改めて浮き彫りにしました。

 周辺住民は一時避難やガス等の供給停止などを余儀なくされ、12市町の約120万人に排水の自粛が呼びかけられる事態となりました。その後も京都市や千葉県など全国で類似の事例が発生しています。

 インフラの老朽化は、上下水道、道路・港湾・河川施設・農業水利施設など極めて広範囲にわたり、今後、老朽化は加速していき、自然災害と重なれば甚大な被害を及ぼします。

 そこで、本県におけるインフラの老朽化対策について、県の対応を質(ただ)しました。

 上下水道の管理については、全て市町村が行っており、計画的かつ効率的な管理に努めている。県としては、計画的な老朽化対策が行われるよう必要な助言や情報提供を行っている。

 道路や港湾などの公共土木施設については、予防保全型の維持管理のため、個別施設毎の長寿命化計画の策定を行い、定期的に点検を行うとともに、計画的な補修などの対策を実施しており、市町村に対しては技術研修の実施や情報を提供するなどの支援を行っている。

 農業水利施設については、緊急性や優先度を考慮し、施設の機能診断や保全対策工事などの対策を進めている。今後とも、市町村等と連携しながら、予防保全対策を計画的に実施していく、旨の答弁がありました。

 私共は、今後、老朽化が加速化する中、国の国土強靱化中期計画等を踏まえ、県公共施設等総合管理計画等に基づき、改めて、老朽化の状況を検証し、市町村とも連携し、計画的な維持・更新など総合的な対策を進めていくことを要望しました。

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「県警の組織運営の適正化」について

 近年、鹿児島県警察においては、不祥事が相次ぎ、現職警察官が逮捕される事案が増加しております。

 一連の不祥事案について、県公委員会は警察本部に対し、昨年6月、事案の解明に尽力するとともに抜本的な再発防止対策を講じること、県民に広まっている県警察の組織運営の適正に対する懸念を早急に払拭する事などを求めました。警察本部は、一連の非違事案の原因分析を踏まえて取りまとめた「再発防止対策」を策定し、以降、再発防止対策に取り組んできております。

 このような中、前捜査二課長による情報漏洩及び不同意性交等の容疑で書類送検し、懲戒処分を行うなど幹部職員による事案を含めて不祥事案が継続して発生しております。そこで、再発防止対策の実効性についての県警本部及び、公安委員会としての確認と評価について質(ただ)しました。

 県警本部長は、新たな非違事案の発生について、今後も、再発防止対策が実効性あるものになるように繰り返し、粘り強く努める、とし、公安委員長は、再発防止対策のさらなる徹底を促すとともに実効性があるのか、厳格な検証を求めると答弁しました。

 一方、知事は、公安委員会委員の選任について、今議会に提案した公安委員1名の選任に当たり、これまで、県警察から候補者についての参考情報を聴取していた従来の選任方法を改め、第三者的な立場で知事部局において、より主体的に、幅広く候補者の情報を収集し、選任することとしたことを表明しました。

 私どもは、県警の相次ぐ不祥事案の発生は、県民の警察に対する信頼を大きく損ねており、徹底した再発防止対策に取り組むとともに、県公安委員会においては、県警の取り組みに対する厳正な検証を行うことを厳に要請するとともに、公安委員会委員の選任に当たり、県が主体となって選出する観点から、しっかりと取り組むよう要望したところです。

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「スポーツ・コンベンションセンターの整備」について

 鹿児島港本港区のドルフィンポート跡地に整備を予定しているスポーツ・コンベンションセンターの整備については、建設資材や人件費の高騰、金利の上昇などにより、昨年9月に入札が不調となったことを受け、県の今後の対応方策に重大な関心を持って注視していたところです。

 知事は、先の第1回定例会で築60年以上たつ現体育館の老朽化が著しいことや、遅れるほど事業費が増える恐れがあり、全国的な大会や大規模イベントを開くために必要最小限の規模であるとし、また、コスト削減のため整備運営手法を県債を活用して30年で償還していく従来型の手法に見直すことで単年度の一般財源の負担を軽減し、持続的で安定的な財政運営ができるとの認識を示しました。その上で、第1回定例会での論議を踏まえ、設計を行い実際の建設費を示す事が必要であるとして、今議会に本体設計及び設計を行うために必要となる調査に要する経費として、債務負担行為限度額9億3百万円を、歳出予算として、設計審査会の設置・運営や交通量調査に係る経費を補正予算案に計上して提案しました。

 議会においては、本会議や常任委員会での論議を経て、具体的な経費を示すための設計委託料については、賛成多数で可決したところであります。しかしながら、実際の設計により事業費の更なる増額も十分に想定される中で、スポーツ・コンペションセンターの事業実施については、あくまで事業費総額を見極めた上での判断が必要であることを指摘したところであり、引き続き、徹底した審議を行っていく所存であります。

 また,今議会には、事業の推進や見直しを求める陳情93件が提出され、採決した結果、「事業の白紙撤回」や「賛否を問う県民投票の実施」を求める陳情は不採択とし、それ以外は「事業推進を求める陳情」も「県と県民との意見交換の場を求める陳情」等もいずれも継続審査としたところであります。

 私共は、引き続き、徹底した審議が必要であり、県民の理解を得るためには県の丁寧な説明が必要であることを指摘したところであります。

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「奄美大島における血液製剤の安定供給」について

 奄美大島においては、平成30年に血液備蓄所が撤退したことから、血液製剤の安定供給が大きな課題となっております。このため、令和3年度から県赤十字血液センター、県立病院局、地元医療機関や自治体関係機関と血液製剤供給体制検討会等を開催して、協議を重ねているところです。

 血液製剤の安定供給のための、県赤十字血液センターの出張所の設置については、開設に約6千万円、運営に毎年約5千万円が必要となるなどの課題があり、直ちに設置することは厳しい状況にあるとのことでありました。

 しかしながら、緊急手術等において医療機関が保有している日赤の血液製剤では不足する場合があり、血液供給体制が脆弱(ぜいじやく)であるとして、先の第1回定例会において、大島郡医師会から、安定供給体制を早急に構築することを要望する陳情が提出され、議会として採択したところであります。

 そこで、現在の検討状況について質(ただ)したのに対して、費用削減について、県立大島病院内に設置する場合、開設に約4千万円、運営に毎年約4千万円まで削減可能と試算されたものの、まずは悪天候時等に血液製剤の有効活用を図るブラッドローテーションを実施することが了承されたとのことでありました。

 本件については、これまでも多くの議員が質問・要望を行っておりますが、未だに明確な対応指針が示されていないことから、改めて、知事の決意を質しました。
知事は、ブラッドローテーションの効果等をしっかりと見極めた上で、引き続き血液製剤出張所の設置を含めてしっかり協議を続けて行きたいと答弁されました。

 奄美群島住民の命に関わる喫緊の課題であります。引き続き、出張所の設置について、奄美群島振興交付金の活用など、あらゆる方法を検討するとともに、国に対しても働きかけ、奄美群島における血液製剤の安定供給体制を早急に構築すべきであることを強く要請いたしました。

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「意見書」について

 今議会では、社会保障や物価高騰対策はもとより、人口減少対策、地方創生の推進、子ども・子育て政策の強化、頻発する自然災害対策、地域交通対策、デジタル化の推進、脱炭素化対策など、増大する地方公共団体の財政需要を踏まえ地域の実情に沿ったきめ細かな行政サービスを行っていくための、「地方財政の充実・強化を求める意見書」及び「生産者が持続可能なコメ生産に取り組むための体制づくりを求める意見書」を全会一致で可決し、政府及び国会に提出いたしました。

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その他

以上の外に

・県1漁協設立
・国の新たな「食料・農業・農村基本計画」を受けた県の対応
・かごしま茶の販路拡大
・県内の在来線鉄道の維持・存続と路線バスの運行対策
・県住宅供給公社の経営状況等
・高規格道路の整備状況
・夜間中学「県立いろは中学校」の特色ある教育内容等
・森林認証取得の取組
・災害廃棄物対策
・ドクターヘリの安全運行体制

等について県の対応を質(ただ)しました。

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