今議会の論点事項

令和7年 第1回定例県議会における主な論点は以下の通りです。

「能登半島地震等を踏まえた防災対策」について

昨年1月に発生した令和6年能登半島地震から1年が経過しました。国においては、能登半島地震に係る様々な検証を経て、防災基本計画の修正が行われ、県においては、国の修正等を踏まえ、緊急輸送道路啓開(けいかい)体制の整備、孤立化集落対策マニュアルの修正など、県地域防災計画の見直しを行ったところです。

一方、南海トラフ沿いの地域におけるマグニチュード8~9クラスの地震の30年以内の発生確率は80%程度とされており、発生すれば西日本を中心に甚大な被害が想定されます。

また、11の活火山を有し、特に桜島は姶良カルデラ下のマグマが大正噴火前の蓄積量を回復しようとしており、今後、想定される大規模噴火への備えが極めて重要であります。

知事は、半島や離島を有する本県の今後の防災対策に、能登半島地震の知見を反映させていくことは大変重要であり、大規模災害に備えて、国や市町村、防災関係機関と緊密に連携を図りながら、防災・減災対策の推進、地域防災力の強化、災害発生時の即応力の強化など、防災対策の更なる充実・強化に取り組んでまいりたいと答弁されました。

私共は、南海トラフ地震や桜島大規模噴火などの大規模災害について、改めて課題を再検証するとともに、地震・津波・火山・原子力等あらゆる防災対策の強化に向けた取組を徹底するよう強く要望したところであります。

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「かごしま茶の生産振興」について

本県の令和6年産の荒茶生産量は2万7千トンで、初めて全国1位となりました。また、海外での健康志向や日本食への関心の高まりなどから、令和5年度の茶の輸出額は前年の2.4倍の32.6億円と大きく伸びております。

近年、国内では、リーフ茶の消費が低迷しておりますが、海外では、欧米を中心に緑茶市場が拡大し、特に抹茶を主体とした粉末状緑茶が中心とされ、本県にとっては輸出を拡大する大きなチャンスとなっております。

抹茶の原料となるてん茶については、本県の生産量は増加傾向にあるものの、その多くは県外で抹茶に加工されている状況であり、今後は県内においても抹茶加工施設の整備を支援するなど、「かごしまの抹茶」として海外に輸出する供給体制づくりと販路開拓が必要であります。

県では、有機栽培茶や抹茶・紅茶など多様なニーズに対応した茶種の生産拡大や、抹茶加工施設などの整備を進める必要があるとしており、現在、てん茶加工施設は19工場が稼働、抹茶は7社で加工しており、令和7年度は、9社の加工施設や貯蔵施設整備を支援することとしているとの答弁がありました。

私共は、荒茶生産量が全国第1位となったことは、関係者の長年の努力による快挙であり、引き続き、多様なニーズに対応した、生産・国内外の販路開拓など一層の取組を要望したところであります。

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「スポーツ・コンベンションセンターの整備」について

鹿児島港本港区のドルフィンポート跡地に整備を予定しているスポーツ・コンベンションセンターの整備については、建設資材や人件費の高騰、金利の上昇などにより、昨年9月に入札が不調となったことを受け、県の今後の対応方策に重大な関心を持って注視していたところです。

知事は、築60年以上たつ現体育館の老朽化が著しいことや、遅れるほど事業費が増える恐れがあり、全国的な大会や大規模イベントを開くために必要最小限の規模であるとしております。また、コスト削減のため固定席の減や整備運営手法の変更で単年度の一般財源の負担を軽減し、持続的で安定的な財政運営ができるとの認識を示しました。

しかしながら、今回、示した方針では、規模の見直しは限定的で、事業費は488億円と当初計画の倍近くに迫る内容であり、今後、更なる上昇の可能性もあることを踏まえると、県民の理解を得ることは極めて困難であることが想定されます。

議会では、基本構想を容認するに当たり、建設コストや後年の維持管理費が県民にとって大きな負担とならないよう、特に整備・運営手法については十分な検討を行い、収支、経済波及効果等については精査しながら進めることとする付帯意見を付したところであります。

私共は、引き続き、徹底した審議が必要であり、県民の理解に向けた県の丁寧な説明が必要であることを指摘したところであります。

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「宇宙産業など新産業の創出・育成に向けた取組」について

国際的な宇宙開発競争が激化する中、宇宙関連のスタートアップ企業等による技術開発やビジネス拡大への動きが活性化しております。

県では、宇宙ビジネス創出推進研究会や人材育成セミナーの開催、宇宙機器開発や衛星データの利活用実証、ビジネスマッチングを支援する事業に加え、本年度は県内企業の宇宙ビシネスへの参入促進や関連企業の誘致等を図るため「宇宙ビジネス実態調査」を実施したところです。

調査結果では、県内企業の13社が宇宙機器関連部品や衛星との交信を行う地上整備の製造実績があり、12社が宇宙ビジネスに関心があるとの回答があり、種子島・内之浦の2つの射場を有する立地環境等を生かし、大学・研究機関と連携し、県内企業の参入促進や宇宙関連企業の誘致を図っていくことが効果的とされたところである。

県では、引き続き、産学官による研究会の開催や試験研究・実証事業への支援や人材育成、県内企業の製品・技術や本県の立地環境等のPRを行うほか、新たに、専門家を活用し、参入に向けた課題整理や取組方針の策定、宇宙関連企業とのマッチングなど、段階に応じた県内企業への支援を行っていく、との答弁がありました。

私共は、宇宙関連産業をはじめ、将来を担う新産業の創出や起業支援に更なる積極的な取組を要望いたました。

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「教職員の不祥事根絶に関する取組」について

教職員の不祥事が後を絶たず、本年度の教職員の懲戒処分は、飲酒運転、同僚等へのパワハラ・セクハラ、交通死亡事故、生徒への不適切な指導、SNSへの不適切な投稿など、3月13日時点で27件となり、過去最悪ペースとなっております。

そこで、不祥事根絶に向けた取組の課題と今後に向けた教育長の決意を質しました。

学校関係者や市町村教委からは、教職員の中には近年の社会意識や法令等の変化に理解が追いついていない者がいる。研修が形骸化し、自分事として捉えられない職員や独善的な考えへの固執、相手の立場で考える意識の欠如があるとの指摘もなされている。管理職の研修の徹底や職員同士が意見や相談をしやすい職場環境づくりも課題である。

多くの不祥事が発生していることは、危機的な状況であると認識している。

教職員の不祥事は、県民の教育に対する信頼を損なうものであり、県教委としては、全ての教職員に対し、児童生徒の教育に関わる者としての自覚を強く求めるとともに、学校や市町村教委と一体となり、不祥事根絶に向けた取組を徹底し、その実効性を高めてまいりたい、との答弁がありました。
私共は、不祥事が頻発する背景や教育現場の実態を詳細に分析し、真に実効性のある再発防止策を徹底するよう、強く要望したところです。

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「林業大学校の開校に向けた取組」について

本県のスギ・ヒノキの人工林は、本格的な利用期を迎えており、森林資源の循環利用を着実に進め、林業の成長産業化を実現していくためには、林業労働力の確保・育成を図っていくことが不可欠であります。

こうした中、議会における度重なる論議を経て、いよいよ本年4月に、「かごしま林業大学校」が開校されます。林業の基礎から最先端に至る幅広い知識と技術を兼ね備えた安全意識の高い即戦力となる人材や、現場管理から経営管理まで担える林業経営の中核となる人材の育成が期待されます。

林業大学校においては、林業関係団体やかごしま大学等と連携し、森林・林業に関する幅広い知識や、林業機械操作などの木材生産技術の習得に加え、林業就業に必要な資格取得やインターンシップ等の研修を実施することとしており、姶良市の「森の研修館かごしま」において、基礎的な研修を、垂水市の「鹿児島大学高隈演習林」において、ドローンや3Dスキャナー等のICTを活用した最先端の森林調査技術研修や最新の研究成果を踏まえた研修を実施するとのことであります。

研修生は、就業後も、段階的かつ体系的な研修を受講することで、将来、現場管理者や林業経営者など林業経営の中核となる人材として活躍することが期待され、本県の林業就業者の確保・育成に寄与するものと考えている旨の答弁がありました。

私共は、本県林業の成長産業化につなげるべく、関係団体等と連携した県の意欲的な取組を強く要望したところであります。

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「意見書」について

今議会では、「刑事訴訟法の再審規定の速やかな改正を求める意見書」、「日米地位協定の見直しを求める意見書」、「持続可能な学校の実現をめざす意見書」及び、「安定的な地域医療体制の確保に向けた支援の充実を求める意見書」を全会一致で採択し、政府及び国会に提出いたしました。

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その他

以上の外に

・令和7年度当初予算案
・農業の「稼ぐ力」の向上に向けた取組
・地方創生の取組
・鹿児島中央駅西口地区の県工業試験場跡地の利活用
・肥薩おれんじ鉄道
・鹿児島港本港区エリアのまちづくり
・鹿児島港の港湾計画の変更
・スポーツコンベンションセンターの整備
・住吉町15番街区に係る事業者の公募
・観光の「稼ぐ力」の向上

・若年者の県内就職の状況と県内就職促進に係る今後の取組
・巡回型通級指導教室開設モデル事業、医療的ケア児通学支援モデル事業の成果及び今後の取組
・県立高校の将来ビジョン検討事業
・林業、木材産業の「稼ぐ力」の向上
・新型インフルエンザ等対策行動計画
・介護人材の確保
・子ども子育て支援施策の成果と今後の取組
・県立病院の経営安定化

等について県の対応を質(ただ)しました。

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